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Monday, February 4, 2008
スーパー・チューズデイ(2月5日)をいよいよ明日に控えて、いっそうの盛り上がりを見せてている米大統領予備選挙。特に注目は民主党予備選で、当初からの有力候補ヒラリー・クリントンと、アイオワでの勝利以来、オプラ、エドワード・ケネディらの支持を受けて勢いをつけ猛追している若手アフリカ系上院議員バラック・オバマとの一騎打ちの様相を呈している。そのオバマがジョン・F・ケネディを彷彿とさせるモチベーショナルなスピーチで話題になっているらしい。
民主党の大統領候補指名レースで、ヒラリーとデッドヒートを繰り広げているオバマ。評判なのは、彼の演説のうまさである。J・F・ケネディやキング牧師の“再来”などといわれているのだ…(日刊ゲンダイ2008年2月3日「オバマ演説 ここがスゴイ!!」) オバマの演説はYoutubeでいろいろ見る事が出来る:2004年民主党大会(その2、原稿)、2008年1月アイオワ勝利演説。米メディアでも概ね好評で(特にリベラル側言論において)、中でもMSNBCのクリス・マシューズの指摘が興味深い: If you compare the two speeches, Rachel, it seems to me that Barack gave a big picture speech, a heroic speech in many ways about America today. I look at Hillary Clinton’s speech and it looked like a bunch of buttons were being pushed, the same old, you know, focus group approved buttons. Here’s—say the word, say the word, say the word and you’ll get the conditioned response. And it certainly doesn’t work for people like me, who are watching this thing year after year after year. I just think it’s manipulative. Whereas his appeal is heroic. It’s different. It’s just different in quality than hers. (Hardball January 3, 2008. Youtube動画リンク) ヒラリーのスピーチは他の候補や今日の多くの政治家同様、フォーカスグループ向けにアピールするキーワードを並べたてるだけ(例えば反戦派の支持を得る為にイラク戦争反対の意を表明したり、中産階級の支持を得る為に中産階級の減税を約束したり)のつまらないものであるのに対し、オバマはより大きな、アメリカという国のビジョンを語っている。ブッシュ政権の古いやり方からの脱却、Changeをスローガンに掲げている民主党の候補としては、旧来の政治家の訴え方をしているヒラリーはあまり魅力的ではない、と。この指摘は、ジョン・F・ケネディのニクソンとのテレビ討論における評価とも通じるものがある。 さらに、アフリカ系アメリカ人のハーバード大学ロースクール教授ランドール・ケネディが、オバマが旧来の黒人指導者と異なる点を指摘している: I'm really exited by him because I feel comfortable. He is not like those others, like Al Sharpton, Jesse Jackson. I can be comfortable with him, he's not rubbing my face constantly, talking about slavery, segregation, and all that.... I'm made very uncomfortable by Al Sharpton and made very uncomfortable by what I perceive to be the racial opportunism of Jesse Jackson, so forget them. I pull a lever for this guy though. (Randall Kennedy: In Conversation with Christopher Edley, Jr. January 16, 2007. Youtube動画リンク) 曰く、アル・シャープトンやジェシー・ジャクソンなどの旧来の黒人指導者と異なり、オバマは事ある毎に奴隷制だの人種隔離だのといったことを口にしない。アメリカ大統領になれるようなアフリカ系アメリカ人とは、叩かれても過剰に反発したりせずに、ジャッキー・ロビンソンのように地道に自らのなすべきことをなして、身をもって範をたれるような人間だろう、オバマはそういう種の人間だ、と。 民主党の若手上院議員、少数派出身という共通する境遇から、何かとケネディと比較されるオバマだが(ケネディはカトリックのアイルランド系で、特に宗教が1960年大統領選でネックになった)、大きな違いが一つある。それは、アフリカ系アメリカ人であるオバマが二大政党の大統領候補の座を競う有力候補であるという事実自体が、ケネディ、ジョンソン政権下において押し進められた公民権運動の賜物であるという点である。もしオバマが大統領になれた暁には、彼が取り組むことになる問題はイラク戦争や社会保障などであって、オバマ自身が再び国内人種問題に取り組むことはない。オバマは長年の公民権運動の成果を土台にして、そこから更に先へと飛躍していくことになる。 Labels: 時事 この記事へのコメント:Subscribe to Post Comments [Atom]
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