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Friday, January 18, 2008
![]() Mathだけにマス教授 登場するのはワシントン大学大気科学部のクリフ・マス(Cliff Mass)教授。ゆとり教育に嘆いている日本の大学教授と同じようなことを、このマス教授も嘆いている。それで先の記事の題名にも「ゆとり教育」と入れたのだけれど、マス教授が批判しているのは主にワシントン州における数学カリキュラムについて(アメリカには日本の文科省に当たる省庁は無く、教育行政は州ごとに行われている)。これが「reform math」「constrictivist math」あるいは「fuzzy math」(ファジーな数学)などと呼ばれている。 マス教授はワシントン大学で25年間、天気予報や大気の数値的シミュレーションの研究をしていて、学部生向けに大気科学の入門コースも教えている。10年くらい前から、ワシントン大学の新入生における数学能力が著しく低下してきていることにマス教授と大学の同僚達が気づきはじめた。今の学生は、80年代の学生なら苦もなくこなしていた単純な代数や分数の問題を解くのも困難になりだしている。結果、教授の大気科学コースはレベルを落とさざるをえなくなってしまう。 学力低下の客観的証拠の一つとして、ワシントン大学で1990年から1999年の間に行われた前・微積分能力判定試験(pre-calculus assessment test)において、平均点がどんどん落ちて来ていることが挙げられる。あまりに点数が悪くなりすぎてしまったので、1999年からはより簡単なテストに変えるはめに。 マス教授が大気科学入門コースをとっている生徒に中学レベルの数学テストを課してみたところ:
![]() ワシントン州に限らず全米で問題になっている。これはニュージャージー州の小学校3年生用のreform math問題:「クローゼットにペーパークリップの入った箱が25箱あります。それぞれの箱にはクリップが100個入っています。私は1つの箱からクリップを50個取り出しました。クローゼットには何個クリップが残っているでしょう?」「貴方がこの問題をどうやって解いたか示してください。貴方の考えを言葉でも説明してください。例えば、貴方はどのようにして問題をその方法で解けると分かりましたか?」(New York Times, June 14, 2007)「25*100-50=2,450」と数式を書くだけでは駄目らしい。 このNCTM要領に沿った教科書が1990年代よりアメリカ全土で採用されはじめる。ワシントン州他で広く使用されているNCTM準拠の代表的教科書:TERC Investigation、Pearson Connected Math Program (CMP)、McDougal-Littell Integrated Math、Interactive Math Program (IMP)、Everyday Math。この全ての教科書がNCMT要領の欠点を共有している。代数・幾何に関する多くのトピックが欠けており、生徒は分数、等式の操作、三角関数、基本的な計算法を習得できない。ワシントン州などではNCTM要領を反映するようにカリキュラムも修正された。 これが教授自身の息子の数学教育にも悪影響を与えることになってしまう。教授の上の子が中学、高校で使った数学教科書はMcDougal-Littell Integrated Math。この教科書は、様々なトピックを狂ったように行ったり来たりするため、生徒が一つも満足に習得できない。内容は一貫性を欠き、論理的な発展学習が不可能。その内容はあまりに酷く、教授は心配になって夜には子供といっしょに勉強し、家庭教師を雇い、公文式に通わせたという。 下の子は高校でInteractive Math Program (IMP)を使用。この教科書の中には数式がほとんど出てこない。生徒が自分で数式を発見するようになっていて、その中身は「観覧車から飛び降りてみる」などといったテーマに沿って書かれている。重要な数学的原理をスルーしていて、息子はこれではやりがいが無いと感じ、もっと学びたい、本当の数学を学びたいと嘆いたという。 National Research CouncilがNCTMプログラムの効果を検証するために委員会を設立。K-12 (幼稚園から高3年まで)の数学教育の質を査定するため、19のNSF(National Science Foundation)主導のNCTMプログラムについて147の研究を行った。結果は、同カリキュラムの有効性を示すデータはいっさい無し。 William Hook、Wayne Bishop、John HookがEducational Studies in Matics誌で発表した研究によると、カリフォルニア州がreform mathから数学テスト上位国のカリキュラムを反映したものに変えたところ、生徒の成績が格段に向上したという。学力向上は特に社会的に恵まれない生徒(less advantaged student、貧困層の子弟)の間で顕著であったという。 フォーダム財団(Fordham Foundation)がアメリカ中の数学カリキュラムを調査したところ、ワシントン州はF(落第、不可)ランクだった。 現行のワシントン州の学習指導要領はお粗末に書かれたもので、必要以上に分量が多く、時に数学と何の関係もないことにまで言及している。 ワシントン州における学生の数学力の低下はreform math導入と共に始まっており、これは偶然ではない。 では、どうやってこの惨事(disaster)を解決すべきか?:
さらに詳しい情報はwheresthemath.comを参照とのこと。 Labels: 時事 ![]() この記事へのコメント:Subscribe to Post Comments [Atom]
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